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第 3 回

お題: 出会い運命性学校生活

桜坂学園は、普通科と音楽や芸術面で突出した生徒の集う芸能科の二つの科があって、この二つの教室棟を繋ぐ形で管理棟が建っている。
ちなみに現在式をやっているはずの体育館は、管理棟から伸びる渡り廊下を右に曲がるとつく。――が、私はそこを左に曲がり、旧校舎へと足を進めた。
私の目指す裏庭は、温室や理科室、家庭科室などのある旧校舎裏手に位置する。

結構歩いた。――って言うか、遠っ!こんなんで休み時間中に移動できないし。

裏庭に足を踏み出した私は、途端足を止めた。
視界に広がる淡い紅色。風に舞い散り、舞い上がる桜吹雪。
その幻想的で美しい光景に、思わず魅せられた。

――えっ?

気づけば、私は一粒の涙を流していた。
それに気づいて、涙を止めようとすればするほど、止めることができず焦る。

―カシャッ

不意に、背後妙な音がして、私はびっくりして振り向く。
そこには、背の高い男子生徒が立っていて、手にはカメラを構えている。
私は、突然のことで状況についていけず、フリーズしてた。
彼はカメラを下ろし、ポケットからハンカチを取り出した。

「ほら」
「・・・・・・・ありがとう」

さしだされたそれを、私は思わず受け取り、お礼を言っていた。

「大丈夫か?」
「うん。ごめん。なんか、涙が勝手に・・・・・」

まだ頭が完全に動いていないためか、私は訳もなく謝り、かついきなり見ず知らずの人間に写真を撮られたということにも頓着せずに、普通に受け答えをしていた。
驚いた衝撃で、涙を止めることに成功した。受け取ったハンカチで目元を拭きながら、私は再び背後を振り返り、目を細めた。
彼もつられたように桜を見遣る。
暫く不思議な心地よい沈黙が続き、彼が静かに口を開いた。

「何で泣いたんだ?」
「何でだろう?・・・・・風に乗る花びらが凄く綺麗で―」

自分の気持ちを整理するついでに彼の問いに答える。

「何故か寂しくって、どこか懐かしい―運命性のようなものを感じたから・・・・・かな?」
「・・・・・そうか」

私は、今更ながら隣の彼に注意を向けた。
背は平均より上180前半というところだろうか。顔もめちゃくちゃ整っている。―もてるだろうな・・・・。
そんなどうでもいい感想がを持ちながら、私は遅ればせながら、当然の問いを口にする。

「そういえば、あなた誰?」

彼は桜に向けていた視線を私に向けた。

「俺は普通科1-2、神谷 統真。よろしく」
「私は普通科1-3、木下 ナツミ。よろしくね」

私は笑顔で答え、そこで気づいた。

「神谷君」
「何?」

統真は、再び桜を眺め、首に提げていたカメラを構えていた。
そんな彼に、私は今更ながらある指摘をする。

「あなた私の写真とったでしょ」

その指摘を無視するように、統真はいろいろな位置からカメラをきる。

「何で?」

私は構わず疑問を口にした。
すると、彼はカメラを下ろし笑いながら答えた。

「さぁ?何でだろうな」

そういってあやふやな答えを返し、カメラを取り続ける彼に、私は不思議と微苦笑しかわかなかった。

「何よそれ」

返す言葉は、心なしか声が弾んで聞こえる。
この出会いが、私の学校生活のスタートだった。


黎 2008/01/31
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